お 護 摩 |
真言宗や天台宗のお寺の本堂中央には、四角い護摩壇があります。 その壇の中央には、みなさんがお願い事を書いた護摩木を焚く「炉」があります。 お坊さんが作法にのっとり、願い事が叶うように、ご本尊不動明王にお願いをして下さいます。 お護摩の焔は、お不動様の智慧の焔で、私達の煩悩を焼き尽くしてくれます。 つまり私達の願い事は煩悩なので、願いが叶えば煩悩がなくなるから、その願いを叶えましょうということです。 だからと言って、努力もせずにご神仏任せではダメです。 なぜなら自分自身の努力にご神仏のお力が加わって、願い事が叶うという意味ですので、日頃から努力をして下さいね。 お護摩はホーマといい「供物を火に投げ入れて祈願をする」という意味で、バラモン教で火の神様アグニを供養し、人間に幸福を与えるという火祭が取り入れられました。 そして人々の願いを叶える祈りが 〔現世利益〕 これが加持祈祷です。 加持は仏の慈悲・仏様の力が加わる 祈祷は仏様の救済の力が衆生に注がれる(働きかける) という意味です。 仏様の救済の力が衆生に注がれ、衆生の信心が仏の力を受け入れ、仏様と衆生が一体となり、願い事を成就させる。 護摩祈祷は、行者の心身を清浄にし、行者の仏様への信心は仏様の衆生救済という力に働きかけ、仏から注がれた力を人々は頼り願い事を叶えます。 つまり、僧侶が「お不動様、お不動様 どうかここにお出で下さいまして、人々の願いが叶うよう力をお貸し下さい」とお願いをする。 お不動様が「よっしゃ!今からそこへ行って人々の願い事を叶えさせてあげよう」とお出で下さる。 人々が「お不動様、どうか私の願い事を叶えさせて下さい」とお不動様のお力を信じてお願い(念じる)をする。 仏様(衆生救済の力)・行者(お不動様にお出で頂くよう、お願いをする)・衆生(お不動様を信じる心)が一体となります。そして、交通安全・病気平癒・商売繁盛・家内安全・心願成就など、護摩木や護摩札に書いた願い事を、お不動さまのお力によって成就するよう祈願をします。 昨今問わず、人々の願いは尽きることはありませんね。 |
参考 お不動さま入門 大法輪閣
密教の本 学習研究社