歓  喜  天
(かんぎてん)


聖天(しょうてん)・大聖自在歓喜天(だいしょうじざいかんぎてん)ともいいます。
元はヒンドゥー教の神で、シヴァ神とその妃・烏摩との子で、ガネーシャといいます。仏教の帰依をしたのちは、仏道に行ずる人々を守護している。
ガネーシャは9800の大鬼王を率いて、三千世界を自由に往来し、あちこちに出かけて仏・宝・僧を守り、大慈悲で全ての人々に利益を与えるそうです。

形は単身のものと男女が抱き合っているものがあり、単身のものは腕が日本・四本・
六本などがあって、大根や刀や杵などを持っています。
抱き合っているものは、男天はシヴァ神の長男で、女天は十一面観音の化身でガネーシャを仏教に帰依させる方便として、女天になり抱きついて歓びの心を起こさせ、その暴悪を鎮めたので、歓喜天といいます。

ご利益は、医者でも治せない難病や怪我の治癒、一切の障害を除き裕福になる、夫婦和合、子授けなどがあります。その功徳はあまりにも霊験が強いために、子孫七代までの福を一代で取ると言われています。

清浄を尊び甘いものが好きで、甘味を具えると願意の成就がしやすいとされています。最も喜ぶお供え物は穀類、蜜、焼く祖などをこね合わせ、油で揚げた歓喜団子と大根、甘いお酒です。
歓喜天にお供えをした供物をお寺から戴いて帰り、近所の人たちに配り食べた人たちの福が全部自分に集まってくるという俗説のある地域もあります。

祈祷をする行者は、清浄を好む歓喜天なので、身体を清潔にし、勤行を怠ることなく勤める。これらを怠ると厳罰が当たるということです。そして、修法時にお経を一字でも間違えたり、注ぐ油の温度が適切でない場合は、その祈祷は成り立たず、逆に罰が当たるということです。

信仰する人も願掛けをし成就したなら、必ず約束を守らないと取り返しの付かない事になります。それだけ力の強い歓喜天なので、真言などは明記は致しません。信用できる行者さんにご祈祷をお願い致しましょう。


イラスト (C)2004Ray Land

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