帝  釈  天


オン インドラヤ ソワカ


インド名は[釈迦提桓因陀羅](しゃかだいかんいんだら)という。
釈迦は能(姓) 提桓は天  因陀羅は帝と訳し、正しくは能天帝で釈提桓因や帝釈天はなまった名前だという。 

     

甲冑の上に袍衣(ほうえ)を着ている。頭は高く垂直に結い上げた高髻(こうけい)が多い。
白い像に乗っているものと、乗っていないものがある。
乗っていないものは、梵天と似通っているので、区別が付きにくいが、甲冑を付けているのが帝釈天です。

古代インドの神話では二頭立ての黄金の戦車か像に乗り、金剛杵を持ち毒龍や阿修羅と戦う軍神と同時に豊穣の神としても崇められていたという事です。

須弥山の頂上にある喜見城に住んでおり、その周りの刀利天(とうりてん)の主として三十三天を統一している。そして、帝釈天はすぐ下にある四天王の国があり、四天王をこの世に送り込み、衆生の善悪の行いを報告させるという。
そして、帝釈天は国が平安で衆生に乱れがない事を喜んでいて、怒ったときは諸々の王は安らぐ事が出来ないという。

喜見城の外には4つの庭園がある。
1.衆車苑(しゅうしゃえん)  天人が遊覧の時に宝の車を出す園
2.雑林苑(ぞうりんえん)   天人が遊覧の時には皆が大変喜ぶ園。
3.喜林苑(きりんえん)   集まった者達が喜んで楽しむ園。
4.麁悪苑(そあくえん)   天部の仏達が戦う時に武器が出現する園。

この4つの園は不思議な力を与え、城内には殊勝殿があり、無限の財宝を蓄えているという事で、帝釈天は人間に財宝を与え、霊力を授ける福神とされている。

帝釈天は地上の守護神として常に阿修羅と戦っている。その説話は
1.阿修羅は須弥山の北大海に住んでおり、諸神が頭上を通るのを見て怒り、兵
  を起こすので帝釈天と戦っている。
2.帝釈天が阿修羅の娘、ラゴラを妻にしたいと望んでおり、もし、娶れないのなら
  は兵をあげて奪い取るという帝釈天の言葉を聞いた阿修羅が大いに怒り兵
  を出している。
この2つですが、2番目の説話が広く知られている。


☆ 刀利天の刀は文字がないため、代替です。


イラスト (C)2004RayLand

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