愛 染 明 王
(あいぜんみょうおう)
オン マカラギャ バゾロウシュニシャ バザラトバ ジャク ウン バク |
梵名をラ-ガ又は、ラーガラジャ。
訳して愛染・愛染王・大愛という。
インド神の中に赤色を象徴するラギャという神がいた。その神が密教に取り入れられ、単に赤という意味だけでなく、愛・親愛の意味も持ち、染色や色彩にも通じることから愛染と訳されたという。
愛敬を本誓とし、衆生が具備している愛欲を清め、救い、そのまま仏の悟りに変える力を持つ「煩悩即菩提」を表している。そして、一切の法の中に一人、最も勝れた教えをなし、五部尊のうちで更に上の尊の呼称を得て、無量の罪を滅ぼして悪を退け、速やかに衆生の願い事を成就させる。弓と矢を頭上にかざしているものは『天弓愛染』といわれる。
【特徴】
身体は光沢のある赤。
日輪に住んでいる(日輪は無知、妄想を破る)
一面六臂の忿怒相である。
三つ目(欲界・色界・無色界の三界の衆生に悟りを与える)
頭に獅子の首を現した冠(獅子冠)を載せている。
華瓶の上に蓮華座を置き、その上に座っている。
【持ち物】
弓・矢・蓮華・金剛杵・金剛鈴・五鈷鉤又は宝珠
【ご利益】
恋愛を成就させてくれる仏様といわれ、心を込めて男性は「雌」、女性は「雄」という文字を書いて、明王の手に乗せる。
もう1つは真言を30万回唱えると、あらゆる相手を従えることができ、どんな人からも愛し敬われるという。
さて、その効果は?
イラスト (c) 2004 RayLand
参考 密教の本 学習研究社
仏像図鑑 国訳秘密儀軌編纂局編 国書刊行会