降 三 世 明 王
(ごうさんぜ みょうおう)
オン ソンバ ニソンバ ウン バザラ ウンパッタ |
明王には五大明王というのがあります。中央及び東西南北に配され人々を守っています。
中央がお馴染みの、不動明王(ふどうみょうおう)・南の方角が軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)・東の方角が降三世明王(ごうさんぜみょうおう)・西の方角が大威徳明王(だいいとくみょうおう)です
東を守護する降三世明王
体の色は青黒色。八つの顔を持ち、八本の腕を持っている。各顔には三つの目があり、正面の顔は青色・右面は黄色・左面は緑色・後面は赤色.。
腕は左右の第一手は胸の前で印を結んでおり、第二の右手は金剛杵、左手は金剛戟を持ち、第三の右手は矢、左手は弓を持ち、第四の右手は刀、左手は索を持っている。
左足で大自在天を踏みつけ、右足でその妻、烏摩を踏みつけている。
強情で強化しにくい者達を忿怒の姿で、導き強化する。
インドのソバニといい、過去・現在・未来の欲、怒り、愚痴の三つの毒を降ろすと言う意味です。
ご利益
悪人払い。
不倫をしている男女に白状をさせるという法がある。
持ち物
剣 悪を滅ぼす
弓矢 邪心が深く仏道にはいることの困難な衆生を仏の智慧ですばやく導く
戟(げき) 悪を打ち滅ぼす
五鈷鈴や金剛杵など 仏の説法を現わしている
索 強化しにくい者達を縛り、導く
大自在天を降伏させた説話は二つあります。
【説話1】
金剛頂経では暴悪な神々は仏教に従わなかったので、金剛サッタが降三世明王の姿で現れ、神々を調伏させたが、大自在天だけは自分は三界の主であると主張し従わなかった。大自在天は毘盧遮那如来に助けを求めたが、毘盧遮那は大自在天を救うのは怒りの姿しかないと思い、降三世明王に任せ、ついに倒れた大自在天とその妻の烏摩(うま)を踏みつけた。毘盧遮那如来が慈悲の真言を唱えると大自在天と烏摩は救われたという。
【説話2】
シュンバとニシュンバという阿修羅の兄弟がいた。この兄弟は昔、大自在天妃に殺害されたという。それで金剛さったが忿怒の姿で現れ大自在天を降伏した時に、阿修羅の兄弟の姿をとったと言われている。
イラスト (C)2004RayLand