虚空蔵菩薩
(こくうぞうぼさつ)

オン バサラ アタランノウ ソワカ



容姿は向かって右手に宝珠又は、火焔宝珠を持ち、左手には剣を持っている。
が一般的な姿であるが、施無畏印であったり形は多種ある。

虚空=無限
蔵  =内臓する

虚空蔵菩薩は福徳と智慧が無限に内臓されていて、衆生の願いを叶える為に蔵から自在に取り出して救済をする。
虚空蔵経には智慧の欲しい者、人々から愛されたい者、歌を好み第一人者となりたい者、王位の位が欲しい者、資財が欲しい者、眷属が欲しいと願う者、名声を上げたい者は虚空蔵菩薩の真言を唱え名前を念じたなら叶えられると記されているというが、現世利益では記憶力を良くするという事が主である。

虚空蔵菩薩は智慧を増し、記憶力を良くするという事で、真言宗の開祖 弘法大師や中興の祖 興教大師は『虚空蔵菩薩求聞持法(こくうぞうぼさつぐもんじほう)』を修している。
弘法大師が高知県の室戸岬で求聞持法を修し、満願の日に明星が口の中へ入り、求聞持法を修得したと言われている。室戸岬にはお大師様が求聞持法を修した場所が残されている。

子供が13歳になった時に参拝する『十三参り』がある。多分、三十日秘仏の十三日に配されているからであろうという。
十三参りは京都の法輪寺が有名で、虚空蔵菩薩から知恵と厄除けを授けて頂きます。。しかし、渡月橋を渡り終えるまでは後ろを振り返ってはいけない。なぜなら、授かった知恵と厄除けが戻ってしまうからです。

『五大虚空蔵菩薩』
五種類の鳥獣に乗った虚空蔵菩薩の事で、富貴の願いを叶え天災を消すという修法(五大虚空蔵求富貴法)のご本尊様です。仏画では円を描き、その中に五つの円を描いてそれぞれの円に虚空蔵菩薩を描く。

中央   =法界・解脱・智慧の虚空蔵菩薩。白色で左に鉤を持ち、
        右は火焔宝珠を持つ。像では獅子に乗る。
前(東) =金剛・福徳・愛嬌・福智の虚空蔵菩薩。黄色で左に鉤を持ち、
       右に金剛杵を持つ。像では象に乗る。
右(北) =無垢・福徳の虚空蔵菩薩。青色で左に鉤を持ち、
       右に三弁宝珠を持つ。像ではコンジ鳥に乗る。
後(西) =蓮華・施願・能満の虚空蔵菩薩。赤色で左に鉤を持ち、
       右は紅蓮華を持つ。像では孔雀に乗る。
左(南) =宝光・能満・官位の虚空蔵菩薩。紫色で左に鉤を持ち、
       右は宝珠を持つ。像では馬に乗る。


イラスト (C)2004RayLsnd

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