千手観世音菩薩
(せんじゅかんぜおんぼさつ)
オン バサラ ダラマキリク ソワカ |
地獄道を救済して下さるのが千手観音菩薩です。
正式のお名前は『十一面千手千眼観世音菩薩』です。
(じゅういちめん せんじゅせんげん かんぜおんぼさつ)
字の如く、頭上には十一の顔があり、千の手があり、一手一手には眼があり、そして、持物を持っています。1つ1つの持物にも意味があります。
京都 三十三間堂(蓮華王院)が有名で、子(ね)年生まれの一代守り本尊にもなっています。
千の手を持っている千手観音は、日本には2体しかないそうです。
普通は40手で、一手が25の輪廻する世界を25種に分けたもの。千という数字は数ではなく、無量という意味です。
あらゆる人々を救い、願いを叶えるというのです。
観音さまは、過去仏 千光王静住如来という仏さまが世に現れて、一切の人々を哀れんで、ダラニを説き、観音さまの頭を撫で、
「このダラニを記憶して、あますところなく未来悪世の全ての人々の為に、大きな利益と安楽を与えなさい」と言われた。
観音さまは「未来に全ての人々を救い安楽にすることが出来たなら、この身に千の手と千の眼を下さり、完全に備えさせて下さい」と願を発するやいなやすぐに千手と千眼が備わったというのです。
千手観音さまのダラニをお誦えしたら、ありとあらゆる災いがなくなり、苦から救われるのです。
ダラニとは、長めの呪文のこと。
持物 右手
青蓮華(しょうれんげ) | 十方の浄土に生まれ変わり たいなら青蓮華手にお願いをする |
宝 鉢 (ほうはつ) |
お腹の病の難からすくわれるたい時、宝鉢手にお願いをする |
蒲 桃 (ぶどう) |
木の実・草の実・穀物のために蒲桃手にお願いをする |
梵 篋 (ぼんきょう) |
地中の宝を求めたいなら梵篋手にお願いをする |
三鈷杵 (さんこしょう) |
一切の天魔、外道を抑制しようとする時、三鈷杵手にお願いをする |
宝 印 (ほういん) |
弁舌にすぐれたいと思ったら宝手にお願いをする |
錫 杖 (しゃくじょう) |
全ての人々を慈愛し、守護しようとする時、錫杖手にお願いをする |
数 珠 (じゅず) |
十方の仏たちが来て、手を差し延べてられたい時、数珠手に お願いをする |
胡 瓶 (こびょう) |
千手観音独自の水がめ。人間関係の和睦をする時、胡瓶手にお願いをする |
宝 箭 (ほうせん) |
矢のこと。よき友人に早く会いたいなら、宝箭手にお願いをする |
五色雲 (ごしきうん) |
不老長寿を求める時、五色雲手にお願いをする |
宝 剣 (ほうけん) |
一切の悪鬼を鎮めようとする時、宝剣手にお願いをする |
白蓮華 (びゃくれんげ) |
さまざまな功徳を成就させようとする時、白蓮華手にお願いをする |
髑 髏 (どくろ) |
一切の鬼神を意のままに操りたい時、髑髏手にお願いをする |
宝 鏡 (ほうきょう) |
広大な智慧を得たい時、宝鏡手にお願いをする。 |
月 輪 (がちりん) |
月精摩尼。熱病にかかって冷気を求めようとする時、月輪手にお願いをする |
宝 鉤 (ほうこう) |
善神、竜王にいつも守護してもらいたい時、宝鉤手にお願いを する |
化 仏 (けぶつ) |
十方の仏たちが来て、頭をなで将来の成仏を確約されようとするためには、化仏手にお願いをする |
持物 左手
紅蓮華 (ぐれんげ) |
諸天の宮殿に往生をしたいと思った時、紅蓮華手にお願いをする |
経 篋(きょうきょう) | 仏の教えを多く聞き、広く学ぼうとする時、経篋手にお願いをする |
宝 珠 (ほうじゅ) |
衣・食・住に恵まれたいと思う時、宝珠手にお願いをする |
宝 螺 (ほうら) |
天神、善神を呼び寄せようとする時、宝螺手にお願いをする |
独鈷杵 (とっこしょう) |
怨敵をくじき、鎮めようとする時、独鈷杵手にお願いをする |
三鈷杵(さんこしょう) | 一切の天魔、外道を抑え制ししようとする時、三鈷杵手にお願いをする |
宝 釧 (ほうせん) |
腕輪の事。男女の使用人を求める時、宝釧手にお願いをする |
羂 索 (けんさく) |
さまざまな不安がら救われたい時、羂索手にお願いをする |
澡 瓶 (そうびょう) |
水がめ。梵天の世界に生まれ変わりたいと思う時、澡瓶手にお願いをする |
宝 弓 (ほうきゅう) |
出世したいと願う時、宝弓手にお願いをする |
傍 牌 (ぼうはい) |
悪い獣を追い払おうとする時、傍牌手にお願いをする |
鉞 斧(えっぷ) | おの。役人の難を避けようとする時、鉞斧手にお願いをする |
紫蓮華 (しれんげ) |
十方の一切の仏達を目前に見ようとする時、紫蓮華手にお願いをする |
楊 柳 (ようりゅう) |
体のもろもろの病気を治すためには、楊柳手にお願いをする |
払 子(ほっす) | さわりを除こうとする時、払子手にお願いをする |
宝 輪 (ほうりん) |
仏の身になるまで悟りを求める心が、いつも退転しないようにするためには宝輪手にお願いをする |
日 輪 (にちりん) |
日精摩尼。盲目で光を求める時、日輪手にお願いをする |
宮 殿 (きゅうでん) |
胎生の中に身を受けないようにするためには、宮殿手にお願いをする |
施無畏 (せむい) |
あらゆる場所で、恐れおののいて不安な時、施無畏手にお願いをする |
宝 戟 (ほうげき) |
外国の敵を避け、追い払おうとする時、宝戟手にお願いをする |
合 掌 (がっしょう) |
人々が常に来て、お互い敬い、相手を思いやるようにするためには、合掌手にお願いをする |
仏の手 | 輪廻する人々が仏達の側を離れないようにするには、仏の手にお願いをする |
このように千手観音さまは、色々な持物を持って全ての人々を救って下さると言う事です。
イラスト (c)2004RayLand