普 賢 菩 薩
オン サンマヤサト バン |
梵名を三曼多跋娜羅(さんまんだばだら)といい、三曼多は『普』といい跋娜羅は『賢』という。
菩薩の徳が「賢」、この徳(賢)が衆生に及ぶが「普」ということです。
お釈迦様が三ヶ月前に死を予告し、法華経とその信者の守護を普賢菩薩に任せたと言う。そして、行者が法華経を誦するときは行者を守護するとされている。
説によると普賢菩薩は阿弥陀如来の第八子で、文殊菩薩は兄である。文殊菩薩は「智慧」を代表するが故に獅子に乗り、その徳を現し、普賢菩薩は「定」と「行」を代表するがゆえに白象に乗り、その徳を現している。そして、釈迦の三尊像としては向かって右に普賢菩薩、左に文殊菩薩を配する。
そして、多くの像 又は 一頭で多数の頭を持つ像に乗っている二臂〜多臂の菩薩像は【普賢延命菩薩】といい、人々の寿命を延ばすと言われている、除障延命の本尊です。真言は『オン バザラ ユセイ ソワカ』
法華経に普賢菩薩勧発品第二十八があります。その中で普賢菩薩の功徳が説かれています。(一部分抜粋)
☆ 後の五百年の悪い世の中において、法華経を護持する者がおれば、私は守護をし
て煩いを除き、安穏なる事を得さしめて、その者たちの欠点を探し求める者が現れ
ないようにする。
☆ 悪魔・悪魔の子・悪魔の女性たち・悪魔の民たち・悪魔に憑かれたもの・夜叉・羅
刹などの人を悩ます者はみな、姿を現さないようにし、行者を絶えず怠ることなく守
るでしょう。
☆ 行者が法華経を説く事に専念して、心に念じながら歩き回るときに、六本の牙を持
つ白い像に乗り、菩薩達と共にその場所に赴いて、自らの身を現し、供養し守護し
てその心を慰めるでしょう。
☆ 行者が法華経を思惟したなら、また、白い象に乗ってその人の前に現れる。
☆ その人が一字一偈でも忘失する所があったなら、私はこれを教え一緒に読誦し、
よく悟らせるでしょう。
☆ その時に法華経を読誦する者は私の姿を見る事ができ、大いに喜び精進するで
しょう。
☆ 普賢菩薩を見ることによって、直ちに三昧及び陀羅尼を得るでしょう。
☆ 僧・尼僧・男女の信者で法華経を護持し、読誦し、書写する者で法華経を修する
者がおれば、三十七日間一心に精進し満願をしたなら六本の牙の白い象に乗り
たくさんの菩薩と共に衆生の前に現れ、法を説いて示し教え喜ばせる。
そして、陀羅尼を与える。
☆ 行者たちが誰かに征服されることなく、人間・鬼や悪霊が襲う事がないように、女
性が誘惑することのないように陀羅尼を与え、自ら彼らを守護します。
☆ 普賢菩薩の威光により、法華経を書写した後に生まれ変わるときには、刀利天に
生まれ、この時に八万四千の天女は諸々の音楽を奏で迎えられる。その人は直ち
に七宝の冠をかむって、天女たちの中で暮らすでしょう。
☆ 普賢菩薩の威光により、法華経を読誦し、意義を理解したならば、この人の命が
終 わるときに、千仏は手を授けて恐怖がないように、地獄・餓鬼・畜生に堕ちない
よう にし、弥勒菩薩の所へ往く。
イラスト (C)2004RayLand