【不動経】
菩薩摩訶薩
覚りを目指す衆生という意味
覚   母 仏陀を生む母という意味
大 法 輪 仏陀の説法
悉   地 成就という意味
宿   願 仏が過去に立てた本願
冥   衆 無知な人
法   楽 音楽や読経をもって、仏を慰めること。
五   辛 辛味のある五種類のもの
大にんにく・小にんにく・ひともじ・おおにら・こうく
三 落 叉 落叉は十万という意味なので、三十万ということ
四 悪 趣 地獄・餓鬼・畜生・修羅の4つの世界のこと
信   受 納得して受け入れること
法身大士 真理(法)を身体としている仏という意味。
永遠不滅の法そのもののことで、あらゆる差別相を超えて、平等にして空である。
衆   魔 悪魔のこと。邪道に誘い込む悪魔。
煩悩魔=欲などの煩悩。
蘊 魔=心身は、種々の苦悩から生ずるから、身体の事をいう。
死 魔=死は人の命を絶つので、死魔という。
自在天魔=自在天は、人の善事を妨げるから魔王という。
大根・中根・下根 大根=最も勝れた根性。
中根=普通の一般の人の根性。
下根=最も劣った人の根性。
金 剛 手 金剛杵を持った菩薩のことで、普賢菩薩のこと。
妙吉祥菩薩 文殊菩薩のこと。梵語で文殊師利を訳して、妙吉祥という。
戒・定・慧 仏道を修行する者が、必ず修める最も基本的な修行。
戒 = 悪を征し、善を修すること。
定 = 雑念を払い、心が乱れないように精神統一をすること。
慧 = 静かになった心で、正しく真実の姿を見極める。
解   脱 苦しみから逃れ、解放されること。
煩悩や束縛を離れ、精神が自由になること。
解脱知見 自分は解脱したという事を、確かめる智慧。
解脱したという自覚。
中   道 二辺を離れた中正な道のこと。苦行と快楽の両極端をやめた、中の正しい道。
火生三昧 菩提心の智慧の火で、衆生の無知と煩悩を焼き尽くし、災難を除き、諸々の悪を降伏する境地をいう。
天龍八部衆 仏陀の眷属として、仏法を守護する八部衆。
天  =超人的な力があると信じられている鬼。
龍  =水中に住んでいて、雲を起こし、雨を降らせる蛇形。
夜 叉=鬼神の一種。地・空中・天上にもいる。
乾闥婆=死んでから次に生まれ変わる間の身のこと。
阿修羅=戦いを常とする鬼の類。
迦楼羅=普通は、金翅鳥と呼ばれている。
      龍を取って食べる鳥とされている。
緊那羅=相貌は人に似ているが、鬼の類であって、歌をよく歌う。
摩ご羅伽=足がなく、お腹で歩くとされている。
三千大千世界 仏教の世界観である須弥山と、その周辺にある四大洲と九山八海がある。
この世界を1000、集めたものが小千世界。
小千世界を1000、集めたものが中千世界。
中千世界を1000、集めたものが大千世界。
この三種類の世界が三つあるということですが、三千の世界があるという事ではなく、1000の世界の三乗の世界があるという意味です。
十   地 凡夫から仏に至るまでの段階を、凡夫・二乗・十信・十住・十行・十廻向・十地・等覚・妙覚(仏)に分けている。菩薩の最高位が十地である。



八功徳水 八つの徳のある水
1.汚れなく清潔で、艶や潤いがある。
2.臭くない
3.軽い
4.冷たい
5.軟らかい
6.美しい
7.心地よく飲める
8.飲んでも、お腹などを患わない
曼荼羅華 天から降り注ぐ天の華
喜びを祝い、天から降り注ぐ華で、『曼荼羅華・摩訶曼荼羅華・曼殊沙華・摩訶曼殊沙華・蓮華』の五種類を五天華という。
五根・五力 悟りへと至らせる為の勝れた働き。
信仰・精進・念・禅定・智慧、仏法僧を信じ、仰ぎ、努力し、常に仏を思う。
七菩提分 七覚支のこと。
@拓法覚支=教えの中から真実のみ選び取る。
A精進覚支=一心に努力する。
B喜  覚支=真実の教えを実行し、喜びに住する。
C軽安覚支=心身を柔軟にし、快適にする。
D捨  覚支=とらわれを捨てる。
E定  覚支=心を集中して乱さない。
F念  覚支=思い続けること。
八正道分 正見(しょうけん)=正しく物事を見る
正思惟(しょうしゆい)=物事を正しく思う
正語(しょうご)=正しい言葉を話す<BR>
正業(しょうごう)=正しい行いや仕事をする
正命(しょうみょう)=正しい生活態度
正精進(しょうしょうじん)=正しい事柄に努力する
正念(しょうねん)=仏法を念ずる。邪念のないこと
正定(しょうじょう)=心を安定させる。禅定
像法の時代 お釈迦様がお亡くなりになって、500年経ったときから500〜千年間続くと言われている。
修行だけがあり、悟りを得るものがいない。ただ形だけが残っている時代。
十恒河沙 恒河沙はインドのガンジス河の砂の数×10倍。数ではなくて、無限と思っていいでしょう。
薄伽梵 サンスクリットでバガヴァット。バガを名詞にすると“食べ物がいっぱいになった”で、満腹になると幸せになるから『幸せ』『幸運』『吉祥』という意味になる。
ヴァットは、『〜をもっている』という意味なので、『非常におめでたいものを具えている人』『吉祥なる人』で世尊のことです。
三十二相八十種好 如来に具わっている相。
天輪王 転輪聖王ともいう。インドの神話において、武力を用いずに正義のみによって世界を統一する理想の帝王。三十二相、七宝を具え、武力や刀剣によらず、正義によって征服し支配する。それには金輪・銀輪・銅輪・鉄輪の四王ある。その四人の王が感得した神聖な輪が輪宝である。
四 洲 仏教の世界観である、須弥山の中腹の四方の海にある4つの洲。四天王が守っている。
東方の東勝神洲(とうしょうしんしゅう)・西方の西牛賀洲(さいごがしゅう)・南方の南瞻部洲(なんせんぶしゅう)・北方の北倶盧洲(ほっくるしゅう)南瞻部洲は私達が住んでいる世界。
十善道 10種の善い行い。生き物を殺さない・盗みをしない・男女の道を乱さない・嘘を言わない・ふざけ言葉を言わない・悪口を言わない・仲たがいさせるような事を言わない・欲を出さない・怒らない・邪まな見解をしない。
智拳印(ちけんいん)
金剛界大日如来の印相。
無知や迷いを退け、堅固な仏の智慧を象徴している。
左手が人間界で、右手が仏界であって、如来の仏智と悟りに至った人の智慧が、結合するという意味であるという。
法界定印(ほっかいじょういん)
胎蔵大日如来の印相。
胎蔵界は真理を表している。真理はいつも正しく、平等でいつも変わることがない。そして永久に静かで変化のない絶対の境地です。
五  智 大日如来の智慧を五種類に分けたもの。
@法界体性智(ほっかいたしょうち)=真理の世界の本性を明確にする智慧。
A大円鏡智(だいえんきょうち)=鏡のように万象を顕現すつ智慧。
B平等性智(びょうどうしょうち)=諸々の事象が平等であると観じる智慧。
C妙観察智(みょうかんさつち)=諸々の事象を正しく観察する智慧。。
D成所作智(じょうしょさち)=自分や他人の為に、やらねばならない事を行う智慧。
心呪 ・ 神呪 神呪=陀羅尼のこと。
心呪=神呪の中の一字をいう。
五  衰 天人が死ぬ前に身体に現れる五種類の衰相。
1.頭上の花または冠がしぼむ。
2.腋に汗が流れる。
3.衣裳が穢れる。
4.身体の威光を失う。
5.本座にいることを楽しまない。
五 尊 部 金剛界の仏・菩薩の五つのグループ、仏部・金剛部・宝部・蓮華部・羯磨部・にいる仏様のこと。
弓 ・ 箭 弓と矢のこと。教化しにくい衆生を、弓矢のように、仏の智慧で素早く導く。
蓮  華 蓮華は泥の中から綺麗な花を咲かせることから、清浄で何にも染まるらず、変わる事のない真理を示す花であるとされている。蓮華は三つの時期に分けて意味がある。
開く前の蓮華は未開敷蓮華といい、梵語ではクマーラで子供を意味し未熟という例えで、真実を教えさとすために方便を用いる仏様に例えられる。仮の姿で現れた仏のシンボル。

開いている蓮華は開敷蓮華といい、梵語ではプンダリーカで花盛りの蓮華のことを指す。これは大白蓮華と訳され、法華経のシンボルとなっている蓮華であるという。方便として仮の教えを説いていたものが、真実の教えにもどる仏身を現す、仏法のシンボル。

枯れかかっている蓮華は梵語でカーマラーといい、衰弱の例えといわれる。仮の教えが消滅し、衆生が悟りに達して真実を掴むように、教え導く仏様のシンポル。
宝珠(ほうじゅ)
如意宝珠・摩尼ともいい、主にお地蔵様の持ち物として一般的である。
如意は思いのままという意味で、思いのままに願い事が叶う珠ということになる。お寺の欄干に付いている宝珠は「擬宝珠(ぎぼし)」という、宝珠を型取ったもの。
倶 縁 果 柑橘系の果物であろうと言われており、仏様の手に喩えられ、この果物を食べると気力が付き、体力も高まるという。
孔雀明王が持っている倶縁果は、調伏の象徴とされており、悪魔を従わせ悪事を伏せるという事で、災いを避けて心身健康になる。
吉 祥 果 ザクロのこと。ザクロは『鬼が恐れる木』という異名があって魔よけの果物とされており、悪魔を祓い無病息災のシンボルである。
バ ラ モ ン インドのカースト制度の最高の位で僧侶の階級。
主にヒンドゥー教の祭祀を司る。
六 欲 天 欲界・色界・無色界の三界のうちの、欲界に属する六重天。

●四天王
増長天・広目天・持国天・多聞天がいる世界。
●三十三天
須弥山の頂上にいる天部。中央に帝釈天、四方に各8人づつで32天。1天+32天で合計33天がいる世界。
●夜 摩 天
時を知り五欲の楽を受け、一昼夜は人間界の200年に相当し、2000歳に寿命を保ついう。
●覩史多天(としたてん)
兜率天のこと。この天の院内には将来、如来となる菩薩が住んでいる。お釈迦様もかつてはここで修行をしていた。現在は弥勒菩薩が説法をしている。この天の一昼夜は人間界の400年に当たり、4000年の寿命を保つという。
●楽変化天
この天に生まれた者は、自ら環境を作り出して楽しみ、8000歳の寿命を保つという。
●他化自在天
この世界に生まれた者は、他の世界の化作した欲望の対象を自在に受用し楽を受<BR>
けると言う。
色界四禅 三界(欲界・色界・無色界)の内の1つ。衆生が往来すると言われている仏教の世界観。欲望を離れた世界。この世界は男女の別がなく、光明を食べ、言葉とするという。色界四禅は色界における四段階の境地。
六・十波羅密 十波羅蜜とは、悟りの世界へ行くために実践すべき修行。
 1.布施波羅蜜(ふせはらみつ)
   与えること。金品の布施・法話・安心を与えるなど。
 2.持戒波羅蜜(じかいはらみつ)=戒律を守ること。
 3.忍辱波羅蜜(にんじょくはらみつ)=苦難に耐え忍ぶ。
 4.精進波羅蜜(しょうじんはらみつ)=真実の道を怠る事なく実践する。
 5.禅定波羅蜜(ぜんじょうはらみつ)=心を安定させる。
 6.智慧波羅蜜(ちえはらみつ)=真実の智慧を得ること。
(ここまでが、六波羅蜜)

 7.方便波羅蜜(ほうべんはらみつ)=間接的な手段で智慧を導き出す。
 8.願波羅蜜(がんはらみつ)=常に誓願を持ち、それを実現させる。
 9.力波羅蜜(りきはらみつ)
   善行を実践する力と真実と偽りを判別する力を養う。
10.智波羅蜜(ちはたみつ)=一切の真実を見とおす智慧を養うこと。
兜 率 天 将来、仏(如来)となるべき菩薩が住んでいる所。今は弥勒菩薩が説法をしているという。
降魔印または触地印という。

お釈迦様が悟りを開こうと修行に励んでおられた時に、悪魔がそれを妨害しようとして邪魔をした。地の神が現れ味方を申しでたが断り、お釈迦様が手を垂れて地面を指すと第二の神が現れ悪魔を降伏させたという。その時の印が降魔印である。
四  道 悟りの境地に到達する為の四種の道。
加行道=三賢・四善根において力を加え、三学に行ずる位。
無間道=正しい智恵を発して煩悩を断つ位。
解脱道=無間道の後に生じる念の智恵が正しく、真理を悟る位。
勝進道=さらに進んで禅定と智恵が発達する位。
六  通 六種類の神通力のこと。
神足通=自由に行きたい所へ姿を現せる能力。
天眼通=自分や他人の未来を見る事ができる能力。
天耳通=普通の人が聞く事の出来ない音を聞く事ができる能力。
他心通=他人の考えを知ることができる能力。<BR>
宿命通=自分や他人の過去世をのあり方を見る事ができる能力。
漏尽通=煩悩を取り去る能力。
自 恣 僧 安居が終わった最終日に、修行僧達がお互いに自分の犯した罪を告白して懺悔して、許しを乞う僧侶のこと。
中  道 二辺を離れた中正な道のこと。苦行と快楽の両極端をやめた、中の正しい道。
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